緩衝溶液について

3年3組 福與貴紀、渡辺嘉朗

はじめに ******************

 水に強酸や強塩基を加えていくと、pHは大きく変化するが、緩衝溶液とは H+ の増減を抑えて溶液のpHをつねに一定に保つものである。緩衝溶液は、電離平衡をうまく利用したものであり、一般には、弱酸とその塩、弱塩基とその塩からなる水溶液が緩衝溶液となる。今回の実験では、弱酸(酢酸)とその共役塩基(酢酸イオン)からなる緩衝溶液を用いて、この緩衝溶液の組成と酸および塩基に対する緩衝能力との関係について調べる。

実験方法 ******************

 今回使用した実験装置および試薬は以下の通りである。

  pHメーター、ビュレット、メスシリンダー、ビーカー、ガラス棒,ホールピペット
  1.0(mol/l) CH3COOH aq、 1.0(mol/l) CH3COONa aq
  1.0(mol/l) HClaq、 1.0(mol/l) NaOHaq
  メチルオレンジ、BTB溶液

 まず、1.0(mol/l) CH3COOHaqおよびCH3COONaaqを各々 (a) 1 : 1 (b) 3 : 1 (c) 4 :1 ずつとって混ぜ合わせた溶液を作る。調製した緩衝溶液(a)を25mlビーカーにとり、ガラス棒でよくかき混ぜてpHを測定する。

(a) 1:1  (b) 3:1  (c) 4:1  

 緩衝溶液(a)にビュレットを用いて1.0(mol/l) HClaqを1滴ずつ滴下し、その都度pHを測定する。緩衝溶液(a)を25ml量を別のビーカーにとり1.0mol/l NaOHaqを1滴ずつ滴下し、その都度pHを測定する。
 緩衝溶液(b)および(c)についても同様の操作をおこなう。

実験結果 ******************

 下図は、それぞれの緩衝溶液に、酸・塩基を加えていったときのpH変化をグラフで表したものである。

    

考察 ******************

緩衝溶液のpHの値の求め方               (α=電離度)
  @  CH3COOH ⇔  CH3COO- + H+      α≒0  ・・・弱酸だから
  A  CH3COONa ⇔  CH3COO- + Na    α≒1  ・・・塩は完全電離する
 平衡定数を Ka とすると、
  @式の平衡定数 Ka=[CH3COO-][H+]/ [CH3COOH] より
     [H+]= KaCH3COOH]/ [CH3COO-
    ここで、CH3COOHは電離度が0に近いのでほとんど電離しない
         CH3COONaは電離度がほぼ1なのでほとんど電離する
    これより、[CH3COO-]≒始めのCH3COONaの濃度=C´
          [CH3COOH]≒始めのCH3COOHの濃度=C
     よって、  [H+]= Ka×C/C´ となる
       ∴ pH=-log[H+]=-log(Ka×C/C´)

  log2=0.3  log3=0.48  Ka=1.8×10-5 とすると、
   (a) 1:1の場合     pH=-log(Ka×1/1) =4.74
   (b) 3:1の場合     pH=-log(Ka×3/1) =4.26
   (c) 4:1の場合     pH=-log(Ka×4/1) =4.14

−酢酸は弱塩基、酢酸ナトリウムは強電解質なので、水溶液中には酢酸分子と酢酸イオンが多量に存在する。この溶液にHClを加えても、H+は次の反応で消費されてしまうので、H+濃度はほとんど変化しない
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全体のまとめ
        CH3COONa ⇔  CH3COO- + Na    @
        CH3COOH ⇔  CH3COO- + H+       A
        2H2O   ⇔   H + OH          B

 もし、ここに酸を加えると、反応式Aの平衡が左に動き、H+が減少し、加えた酸の影響を薄める。逆に、塩基を加えると、反応式Bの平衡が左に移動する。
 その式Bの平行の移動により減少したH+を補うように、反応式Aの平衡が右へ移動し、結果として、加えた塩基の影響を薄めることができる。
 このように緩衝溶液の特徴ともいわれる電離平衡をうまく利用していることがわかる。
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<濃度が高いほど緩衝能力が大>
 酢酸(ナトリウム)緩衝溶液は10mMよりも100mMの方がその緩衝能力は大きくなります。 
 ただし、濃度が高いと析出しやすくなるらしい。
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感想 ******************

 今回の実験は、酢酸と酢酸ナトリウムとの緩衝液を調べたけれど、他の溶液ではpHの値の変動はどうなっていくのか調べてみたい。(福與)
 楽しかった(嘉朗)