2005年10月22日
全自動?

小学生の頃、「書写」の時間に先生から
「墨を磨るのは、これから書くにあたって心を落ち着かせるためだ」って言われたけど、
当時の僕は墨を磨るのは面倒くさいし、疲れるし、時間がかかるし・・・
かえってイライラするだけだった。
「墨は手で磨ったものでなければダメなんだ」なんてことがわかったのは
専門的に書道を始めてから。
もちろん、心が落ち着くっていう精神論だけじゃなくて
磨った墨と、墨汁との書き味の違い、墨色の違いなどからなんだけど、
でもやっぱり墨を磨るのは面倒くさい・・・
特に、大きな作品を書くときなんかは大変で、
1枚書いてみて、「さぁ、今度こそ!」と思ったときに墨がない・・・
調子に乗って書いていたら墨が無くなった・・・なんてことも。
そんなときに大いに役に立つのが「墨磨り機」なんです。
あの、有名なテレビ番組『トリビアの泉』で取り上げられて、「80へぇ」以上を獲得してたけど、
そんなことだったら僕も応募しておきゃよかった・・・
まぁ、先を越されたことは仕方がない。
遅ればせながら僕が使っている墨磨り機をちょっと紹介。
墨磨り機には、大きく分けて2つの種類があります。
①磨るときに墨が動くもの。 と ②磨るときに硯が動くもの。 の2つ。
①にはさらに2つの種類があって、
一つは、墨が円を描く形で動くもの。
もう一つは、墨が手磨りと同じく前後に動くもの。 の2つです。
僕は、墨が円形に動きながら磨るタイプのものを使用しています。
以前は硯が動く(もちろん、前後ではなくて硯がクルクル回るタイプ)のもありましたが、
墨磨り機が小さく、たくさんの量を磨れないことと、
硯が人造石で、なかなか磨れないことからやめました。
今使っているのは、写真左のタイプ。
そしてそれを買う前に使っていたのが右のタイプです。
写真右のやつは自分で買ったのではなく
お世話になっている人から、使わなくなったということでいただいたもの。
話を聞くと、「墨磨り機」というものが出来た時のものらしい。
これね、よく写真を見てもらうとわかるんだけど
段ボールで囲まれている。しかも段ボールの内側が墨で黒く・・・
実はこれ、墨が回転する速度がとんでもなく速いんです(泣)
だからある程度墨が濃くなって粘りが出てくるまでは飛び散るんだよね・・・
その結果段ボールの内側が真っ黒になっているんです。
昔聞いた話が間違いじゃなければ
モーターというのは早く回転させることは簡単だけれども、
逆にゆっくり回転させることはとっても難しい技術だったそうな。
で、当時としてはこれでも最大限の結果だったらしい・・・
そして、左側の写真にある、今の墨磨り機なんだけど
使ってみると回転がとってもゆっくりになってます。
だから段ボールで囲む必要がないわけです。
でも、ただ単に回転が遅くなったということだけではいけないので、
他に進化した点を見みます。
まず、墨が2丁同時に磨れるようになってます。
→「何だ・・・」と思うかもしれないけれども、倍の早さで磨れるんです。
また、同じ所を磨るのではないので小さめの硯でも墨を取り付ける場所を考えれば
磨ることができます。
次に、墨を磨るときに必要な水をためておくタンクが付いてます。
→硯に入れる水の量を調節するコックが付いてるんだけど、
僕はあんまり使っていません。
さらに、タイマーがついてます。
→でも、ブザーが鳴るだけで、動きは止まってくれません・・・
逆に止まってしまったら、墨が固まって大変ですが。
ってな感じです。
でも、たくさんの量を「楽に」磨るのにはとっても良いのだけれども、
作品にする際、濃墨にするのでないのならば使いません。
やっぱり「機械」で磨ったものでは良い色が出ないんです。
もちろん、硯そのものの違いもあると思うんだけど
「手磨り」にはかないません。
なんで?って言われても難しいんだけど、
結論は「奥が深い」ってことかな。
投稿者 shintaro : 2005年10月22日 17:43
コメント
墨すり機で濃墨を作った際に、その墨が余ってしまった場合の保存法はどうなさっていますか?
墨すり機で作る場合作りすぎてしまうことが多くて、でも捨ててしまうには惜しい。放置しておくと膠が固まるし…
捨ててしまうしかないのでしょうか。
投稿者 ななし : 2007年11月08日 14:10
ななしさん、コメントありがとうございます。
確かに、墨すり機では墨をすり過ぎてしまい、余ってしまうことがありますよね。
そんなとき、私はこうしてます。
①10円玉(側面にギザギザが入っている、いわゆる「ギザ10」です。)を2~3枚入れる。
→これは、銅が墨を腐らせるのを遅らせるみたいです。
②洗面器のような広くて浅い容器を用意して水を張り、その中に硯を入れる。
→これは水が蒸発する際、気化熱を奪うことを利用して、硯を冷やすためです。
いずれにしても、きちんと蓋をして乾燥を防ぐのが第一条件です。
だいたいこんな対応をしていますが、有効な手段というわけではなく、「ただの気休め」くらいに考えた方がいいと思います。冷蔵庫に入れるという話を聞いたこともありますが、やめた方がいいと思います。
やはり、書ききれる分を擦って、仮に余ったら早いうちに使うってことが一番ではないでしょうか。
投稿者 shintaro : 2007年11月09日 17:52